カウンター
あなたは3990590人目です。
300万アクセス達成(2017/8/15)
学校案内学校生活進路情報部活動中学生の皆さんへ(入試情報)学校説明会・見学会SSH(スーパーサイエンスハイスクール)卒業生の皆さんへさくら会(同窓会)事務室よりPTAのページ教職員の方へ(人事応募等)学校自己評価システムシート学校の活性化・特色化方針いじめ防止対策基本方針教科書選定に係る基本方針ホームページ作成ガイドラインサイトポリシー
所在地
〒360-0031
 埼玉県熊谷市末広2丁目131番地        
  JR熊谷駅北口より徒歩8分
  地図を表示する
 tel 048-521-0015
 fax 048-520-1052
 お問い合わせ先(メール)
 *中学生及びその保護者の皆さんは
  
seitoboshu@kumajo-h.spec.ed.jp      
   *その他、一般の方
  info-z@kumajo-h.spec.ed.jp
 
リンク

さくら会(同窓会)

埼玉県教育委員会

県公立高校へのリンク

・アドビリーダー
 (PDFファイルを見るために必要)
 下の画像をクリックしてください。
 
 県教育委員会 「学力の向上」ページへ

H29banner
 

 
アクセス状況
オンラインユーザー21人
ログインユーザー0人
登録ユーザー85人
校長講話 >> 記事詳細

2019/01/08

第3学期始業式 校長講話

| by 熊女職員101

第3学期始業式

H30.01.09

 

 

 新春のお慶びを申し上げます。

 この一年が、みなさんにとりまして大切な時間を重ねる、そして昨日の自分を超えていく日々となりますよう、祈念いたします。どうぞ、本年もよろしくお願いいたします。

 

 2月の立春を迎える頃から、1日に1分ずつ昼間の時間が長くなり、それとともに大地に降る陽光が急速に輝きを増してきます。この現象を、「光の春」といいます。その「光の春」の時季に、3年生のみなさんは、受験の山場を迎えますが、これまでの懸命な努力が実を結ぶことを、心から願っています。

 

 どうしようもなく不安で、苛立ってということがあれば、どうぞ話をしに来てください。校長室のドアは、いつでも開けてありますから。

 

 今日は3学期のスタートです。1年生、2年生のみなさんにとっては、高校生活の次のステージへ移行するための重要な3ヶ月となります。それぞれの目標につながる、一段高いステージへ移るために、ギアチェンジして日々の生活に臨みましょう。目指さない目標は、絶対に達成されることはありませんから。

 

 平成29年度の本校卒業生の系統別進学者を数値でみると、本当に多様な進路ですが、一番多いのは、看護・医療・健康科学系統で13.1%。次が、人文科学系統で11.5%となっています。教育・教員養成系統は、6.6%。

 

 この6.6%という数値は印象より少ないのですが、教職員採用課からの情報ですと、今年度の教員採用試験では、本校出身の方は、小中高特別支援を合わせて37名が合格し、その数は、出身高校別では一番多いそうです。関心だけでなく、教育に対する資質・能力も高い水準にあるようです。

 

 今日は、本校生の関心が高い看護・医療の領域や教育の領域においても、大きな特徴となっている「Evidence-based」を取り上げ、そこから「持続可能性sustainability」について考えてみます。

 

 医師の経験と勘による医療ではなく、最新の臨床研究に基づいて、統計学的に有効性が証明された医療を提供していこうという考え方は、1980年代から90年代にかけて世界的に広まり、現在、医療の基本理念になっています。この考えをEBM(Evidence-based Medicine・根拠に基づいた医療)といいますが、背景には、20世紀に急速に発展した統計学、そして右肩上がりに推移した経済成長があります。

 

 EBMには診療の基本指針があり、その有効性はデータで実証されていますが、すべての患者に有効というわけではないようです。その有効率は60%~90%。とすれば、有効でない患者が40%~10%存在することになります。また、根拠になるデータが十分そろっていない疾患や精神に関わる疾患などEBMを適用できない場合もあります。

 

 こうした状況を打開するため、イギリスで提唱されたのがNBM(Narrative-based Medicine・物語と対話による医療)です。

 

 Narrativeは「物語」のことで、患者が医師との対話を通して紡ぐ物語です。それは、病気になった理由や経緯、病気について今はどう考えているかなどが綴られますが、医師は、物語から病気の背景や人間関係を理解し、患者の抱えている問題に対して、身体的、心理的、社会的など全人的にアプローチしていこうとする臨床手法のことです。

 

 NBMは、患者との対話と信頼関係を重視し、scienceとしての医学と人と人とのふれあいとの間にある溝を埋めることが期待されています。scienceとしての医学を支えるものは、客観的なデータですが、NBMとEBMは対立するものではなく、人間の「生命をどうとらえるか」の視点とアプローチの違いです。

 

 教育をめぐる議論も、現在は、Evidence-basedになってきています。全国学力・学習状況調査やPISA、あるいはTIMSSの調査において、詳細な統計分析が行われ、成果とともに様々な課題があぶりだされています。

 

 熊女生の希望の多い看護・医療系と教育系の2つの領域は、みなさんには、きっと異なる領域として認識されていると思います。

 

 看護・医療の領域において、人間の「生命をどうとらえるか」という視点とアプローチが求められているなら、教育を表すeducationのもとになるのは、「ed・care」。それは、「命をはぐくむ」という意味です。したがって2つの領域は、その根底では大きく重なり合っています。人の存在に直接関わる2つの領域では「命をはぐくむ」ために、社会の「持続可能性」をどう確保するのかという大きな課題が、他の領域よりも鮮明に見えているはずです。

 

 平成という時代が本格的に始動した1990年代。その90年代後半には、国際競争力世界第一位の我が国の繁栄がありました。しかし、2000年代に入ると急速に国際競争力を失い、格差を示すジニ係数も0.5に拡大。高度成長期に大都市に流入してきた人々は次々と老年に達し、日本社会は、頂点から緩やかに、しかし確実に下り始めます。

 

 こうした動きの中でも、確実に予測できていたことがあります。それは、急激な少子高齢化の進展と人口減少です。ですが、日本に限らず、同様の人口動態で推移する各国は、いずれも有効な政策を打ち出せたとは言えないでしょう。

 

 その結果として描かれた「日本の近未来予測」は、みなさんがご存じの通りですが、この近未来予測は、AIによるEBM的分析結果に拠るものです。

 

 これからの20年後、30年先を見据えて、私たちは何ができるのでしょうか。多面的・多角的に思考する際の1つの鍵は、EBM的分析、併せてNBM的アプローチです。

 

 社会の持続可能性を高める方向性を示し、推進する中心は、政府や地方公共団体であり、また企業などの経済主体でしょう。しかし、現代は、従来の成長期ではありません。これまでの成長期とは明らかに違う価値観が、日本社会にも生まれ、定着しようとしています。例えば、それは医療へのNBMの導入であり、従来の「自立と依存」の関係を編み直そうとする福祉の動きなどです。

 

 私は、社会の持続可能性は、国家の政策に加えて、一人ひとりの生き方がどう生きるかという総体にかかっていると考えます。国家が近未来の分岐点に立ったとき、その進路の最終選択は、私たちの生き方に負うものとなるでしょう。

 

 20世紀を代表する社会学者の一人、Peter F.Durkerは、「私は、予言ではなく、すでに社会の中に現れている未来の事象を探して、それを伝えているだけです」ということばを残しています。不確実性の現代では、未来を正確に予測することは相当困難ですが、Peter F.Durkerのことばが正しいとするならば、持続性のある未来を決める要素は、既に現在の社会の中に存在しているはずです。

 

 被災地訪問の報告が12月に行われましたが、参加されたみなさんは、個人の生き方が国家の進路を左右すると考え、被災地で新たな生き方を示していた方々とお会いしてきたことかと思います。今は危ういように見えても、確かな持続可能性を求めて行動している人たちではなかったでしょうか。

 

 ネット化の現代社会では、人の顔が見えない中での行動が大きなウェートを占めます。

ですが、「どう動くのか、どんな人と出会うのか、何を感じ取るのか」。その経験と学びが、思考の原点となることには変わりはないでしょう。年頭にあたり、みなさんに送るメッセージとします

 

 

 最後に、ハラスメント防止関係のことをお伝えします。

 

 国内でセクシャルハラスメントを理由とした民事訴訟が起きたのは、1989年です。それから30年。平成の時代を通じて、ハラスメントという言葉の認知度が高まり、隠れていた問題が次第に顕在化してきています。

 

 本県では、生徒のみなさんにも「ハラスメント」、具体的には、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなどを受けた場合の相談窓口を設けてくださいという依頼がきています。本校では、昨年度から保健室の養護の先生に相談の窓口になっていただいています。

 

 みなさんの個人情報と尊厳は、必ず守ります。もし、心当たりがあれば、相談してください。


13:29