カウンター
あなたは3607424人目です。
300万アクセス達成(2017/8/15)
学校案内学校生活進路情報部活動中学生の皆さんへ(入試情報)学校説明会・見学会SSH(スーパーサイエンスハイスクール)卒業生の皆さんへさくら会(同窓会)事務室よりPTAのページ教職員の方へ(人事応募等)学校自己評価システムシート学校の活性化・特色化方針いじめ防止対策基本方針教科書選定に係る基本方針ホームページ作成ガイドラインサイトポリシー
所在地
〒360-0031
 埼玉県熊谷市末広2丁目131番地        
  JR熊谷駅北口より徒歩8分
  地図を表示する
 tel 048-521-0015
 fax 048-520-1052
 お問い合わせ先(メール)
 *中学生及びその保護者の皆さんは
  
seitoboshu@kumajo-h.spec.ed.jp      
   *その他、一般の方
  info-z@kumajo-h.spec.ed.jp
 
リンク

さくら会(同窓会)

埼玉県教育委員会

県公立高校へのリンク

・アドビリーダー
 (PDFファイルを見るために必要)
 下の画像をクリックしてください。
 
 県教育委員会 「学力の向上」ページへ

 

 
アクセス状況
オンラインユーザー38人
ログインユーザー0人
登録ユーザー85人
校長講話 >> 記事詳細

2018/03/23

修了式 校長講話

| by:Web管理者1

修了式


H30.3.5

 
  卒業式では、会場設営や準備に、協力をいただきありがとうございました。

 
式が終わり、退場する先輩たちをみて、みなさんはどんな印象を持ったでしょうか。式の中心は、卒業証書の授与です。呼名されたら、「返事をして、起立し、礼、着席」。この一連の挙措に要する時間は、一人5秒ほどでしょう。ですが、この5秒に、熊谷女子高校での3年間が凝縮されていると、私は壇上で感じていました。

 
卒業する先輩たちも、自分の成長を手応えとして実感できた瞬間だったようです。本当に素敵な笑顔でした。

 高校は1万人の卒業生を数えると、よく一人前と言われるのですが、第70回という節目に合わせたように、熊谷女子高校としての卒業生の人数は、3万人を超えました。経営学では、一般に企業や組織体の耐用年数はおよそ30年と言われていますが、熊谷女子高校は、一世紀の時を経て、なお県北の名門として高い評価をいただいています。


 「自主、そして自律」。この普遍の真理が、熊女の伝統として継承されているからと、私は考えています。新2年、新3年みなさん自身のために、まだ見ぬ、新たな熊女生のためにも、さらに誇れる高校をつくっていきましょう。
 


 話題を変えて、ここ数ヶ月の東アジア情勢を視野に入れた話で、今年度をまとめます。


 
21世紀の世界は、「地球規模での一体化が進む」という方向を示すだろう。しかし、一方では、数多くの文明の単位に分裂し、それらが相互に対立・衝突する流れが、世界秩序の基調となる-こうした論文を、東西冷戦が終結する1993年に、すでに発表していた研究者がいます。


 ハーバード大学のサミュエル・ハンチントン教授です。教授の国際関係の押さえ方は、近現代の世界を、特に東アジアを理解するには有効な手段となるはずですので、概要を紹介します。

 

  ハンチントン教授は、冷戦後の力の構造を1つの超大国(アメリカ)と10か国ほどの地域大国からなる世界体制(原語ではuni-multipolar systemといいます)と規定します。さらに、その地域大国とリーダーを争うナンバー2の地域大国、そしてそれ以外の国家という世界規模の「力の構造」を提示します。


 
具体的に例をあげた方がわかりやすいでしょう。地域大国に該当するのは、ヨーロッパにおけるドイツ・フランス連合、ユーラシアにおけるロシア、東アジアにおける中国、潜在的には日本、南アジアにおけるインド、東南アジアにおけるインドネシア、南西アジアにおけるイラン、中東におけるイスラエル、アフリカにおけるナイジェリアと南アフリカ、ラテンアメリカにおけるブラジルです。


 
そして、この地域大国に対抗するのが、ナンバー2の地域大国です。ドイツ・フランス連合に対するイギリス、ロシアに対するウクライナ、中国に対する日本とベトナム、日本に対する韓国、インドに対するパキスタン、インドネシアに対するオーストラリア、イスラエルに対するエジプト、ブラジルに対するアルゼンチン。ただ、アフリカには、教授によればナンバー2の大国は存在しません。

 

 以前触れた中国とベトナムの歴史認識のズレから派生する問題、具体的には、南沙諸島の領有権の問題ですが、これは、歴史的な時間の推移だけでなく、地域大国・中国とナンバー2の地域大国・ベトナムとの「力の構造」の視点から捉える必要もあります。東アジアの領土問題は、歴史認識の問題と併せて、「力の構造」に依拠しているため、解決がより困難な状況になっています。


 
我が国が位置する東アジア地域、その国々が属する文明は、教授によれば6つです。中華文明、東方正教会文明、日本文明、西欧文明、イスラム文明、仏教文明の6つです。そのうち4つの文明の主要国である中国、ロシア、日本、そしてアメリカの4カ国が、東アジアの諸問題に主要な役割を果たしています。


 
北のロシア、南の日本、東の中国、西のアメリカ-1つの超大国と3つの地域大国の強大な政治力と文明が集中しているのが、朝鮮半島です。これだけ大きな力が集中する地域は、世界的にも他に例がありません。朝鮮半島の政治的不安定さは、この「力の構造」にも起因しています。北朝鮮の核を巡る六カ国会議の参加国も、朝鮮半島の二カ国とこの四カ国です。


 
東アジアは、多数の文明と不確実で目まぐるしく変化する力関係が存在する地域です。世界のほとんどの地域には、単一の「地域大国」が存在しますが、東アジアはそうではありません。


 古代王朝から19世紀半ばまでは、中国が東アジアの覇権を握っていました。20世紀の前半は日本が支配的な大国でしたが、後半には、アメリカがこの役割を担います。そして、中国の経済発展が今後も続けば、再び覇権を握ることになるでしょう。現在の中国は、その方向を意図し、政治体制の強化を、まさに今図っているところです。

ただ、中国の経済発展は、経済学の法則からすればそう長くは続かないはずです。鍵は、中国の人口動態です。20年ほど先行する少子高齢社会の日本を、中国は、ほぼ同じ人口ピラミッドの形で追いかけています。人口の変化は、労働力、市場、経済的機会にとって基本となる動きです。つまり20年後、中国社会は、現在の日本と似た少子高齢社会を迎えているということです。

人口動態という視点からから予測できることを付け加えるなら、21世紀の世界で、最も重要な軸となるのは、イスラムの復興でしょう。2018年までがすでにそうでした。イスラムの挑戦は、経済発展ではなく、人口爆発に根ざしています。人口爆発は、どこかの時点で「若年人口の激増」につながります。歴史的にみると、15歳から24歳までの若年人口が20%以上を占めると、社会は不安定になり、暴力や紛争がエスカレートする傾向があります。

この状態をイスラム圏で最初に迎えたのはイランです。そのイランでは1979年に革命が発生しています。逆に今後の人口動態からは、イスラム諸国の社会の動きも沈静化していくことが予測されます。

長期的視点に立てば、人口の重心が変わると社会の雰囲気が変化しますし、社会の雰囲気は、意外に劇的にしかも確実な変化を遂げて行きます。

ハンチントン教授の理論は、『文明の衝突』に収斂されます。日本語訳されていますので、関心があれば手にしてみてください。

今日が、事実上の新年度のスタートです。新たな思いで高校生活に取り組みましょう。


17:30